徳島県「バス追突され2人死亡、高校生ら十数人けが」平成29年8月25日
平成29年8月25日午後5時ころ、徳島自動車道下り線で、路肩に停車していたマイクロバスに対して大型トラックが追突したという事故が発生しました。
今回の交通事故があった近辺の地図
追突の衝撃で、バスは道路左側のガードレールを越えて、数メートル下ののり面に転落してしまったとのことです。
その転落により、バスは横倒しになってしまったということです。
バスに乗っていた乗客にとっては、とんでもない災厄でした。
バスには徳島県内の高校生ら16人が乗っていたとのことです。

バスの運転手の方と、バスの乗客であった高校生の2名が全身を強く打って死亡してしまったほか、乗客十数人が、けがをするという大惨事となりました。
この交通事故について、徳島県の県警高速隊は、追突したトラックを運転していた運転手を自動車運転処罰法違反で現行犯逮捕したとのことです。
交通事故の詳しい原因は、現在調査中とのことです。
弁護士のコメント
今回の事件は、多数の被害者の方がケガをした、大惨事です。
死亡者も出てしまったということで、遺族の方の悲しみを思うと、心が痛みます。
交通事故の実務家として、今回の事故について思うのは、大型のバスを道路から転落させるような大きな物理的な力が、なぜ発生したのかということです。
なぜ、バスは転落したのか?
大型のバスというものは、とても重量の重いものですので、少々、他の自動車がぶつかったくらいでは、普通は、びくともしません。
普通は、バスが道路から転落するという事故は、バスの運転手が居眠りをしていて、カーブを曲がることができずに転落するという形態が普通です。
今回のように、「他の自動車がバスにぶつかったことによって、バスが道路から転落した」というケースは、めったに起きません。
今回、加害車両は「トラック」であったとのことですから、もともと、それなりの重量もあったとは思いますが、たんにトラックだというだけでは、バスが転落するほどの衝撃にはなりません。
事故の原因はスピード違反?過積載?
これは想像ですが、トラックの側に、スピード違反があった可能性もあります。
同じ重量であっても、車両の速度が速くなのと、交通事故の衝撃は何倍にもふくれあがることがあります。
また、トラックの側に、法律上の制限を超えて荷物を積んでいたという事情があったのかもしれません。
いわゆる「過積載」ということがあると、運転に差し支えが発生するほか、万が一、事故が発生したとの衝撃が大きくなるということがあります。
このように、今回の事故の報道を聞いて、弁護士が思い浮かべますのは
・速度制限をオーバーしていなかったかどうか
・荷物の過積載がなかったかどうか
というポイントです。
警察の方には、すみやかな実体解明を期待したいと思います。
文責 弁護士 吉田 泰郎